自立した文章

文章を書くことの怖さというものを少し感じているのかもしれない。
自分の発する言葉にビクビクしているところがある。
どういう文体で書くことで自分が一番自然でいられるかがわからない。

自分が文章の中でよく使うフレーズに目がいくようになった。
言葉に支配されているような気がする。
少なくとも、ある定型的な言葉の組み合わせを使って
自分はものごとを考えているのだということがわかる。
論理の展開の随所に自分の性格がかいま見られるようで恥ずかしい。

文章を書くということにここまで向き合ったことはなかったので
いまが自分の文というものを形作るためのいい機会なのかもしれない。

文章は決して自分を投影したものではないのだと思うようになった。
むしろ普遍的な文章というのは書き手の芯から生まれたにもかかわらず、
まったくその本人から束縛を受けず自由な存在であるのではないか。

文章を書くこともつきつめれば、
自らを通して世界を発見するということになるのかもしれない。