避けがたい感覚


美的感覚というのは時に残酷だと思う。
同じくらい愛情を向けてくれる子供達に対してすら感じてしまうものだ。
どんなに幼くてもそこにはすでに生来の美というものが備わっている。
ある時、私はそれを実感した。
自分によく懐いてくれる子供よりも、ほとんど話すこともない子供にそれを感じてしまった。
私はその子に対して恥ずかしながら憧れの気持ちを抱いてしまった。
彼女の仕草、振る舞いは私の支配力を完全に超えていた。


子供達の前ではそういう気持ちは出していないつもりであるが、
そんなものは簡単に見破られているのかもしれない。
私が子供のころ大人達はどうかんじていたのだろうか。
今、かつての先生達にもし聞けることならその真相を聞いてみたい。