祭り


繁華街の方で大々的な祭りがやっていた。
大きな通りを歩者専用にしてそこにたくさんの出店がでていた。
祭り自体はかなり古くからあるみたいで、歴史的にもかなりの意味合いがあるらしい。
でもそんなことは何も気にせず、浴衣を着て歩いている人ばかりだった。


何しにきているかというと祭りのなかにあるあの雰囲気を味わいにきているのだとおもう。
本日は無礼講とか、何でもありですよといった雰囲気。


10代の若者は川沿いでロケット花火を乱射していた。
通りを歩くカップルたちは自分たちの世界に入り込んでいて、
周囲から干渉されたくないというようなオーラを発している。
しかしその割には周りを気にして歩いているように見えた。


全体的に、みんなが人を見て、自分も見られる、人の鑑賞会みたいなことになっていて、
俺はいつものように通りをぷらぷら歩いていてもひどく落ち着かない感じがした。
とくに少年少女から醸し出される、お互いなれ合いたいのに近づけないという
どこかよそよそしくてぎこちない空気も感じた。
そんな感じでとくに関係ない自分も物色されているような感じがしていやだった。


とはいって俺もまだまわりが気になってしまうところもあったので、
祭りを純粋に楽しむにはもうちょっと年を重ねないといけないのかもなぁと思った。