日中の日射し


あれほどじらされていた春の暖かさも、
気づけば当たり前のようにおとずれてきている。


とくに日中の日射しの高さは、
長くつづいた冬と比べ、明らかに高くなってきている。
気温はそれほど上がっていないのかもしれないが、
光が増した太陽から感じる体感温度は冬のそれではない。


うちの周りでも、季節的に観光客を多く見るようになってきた。
隣の住人もいつのまにか引っ越しをすませている。


あたらしい季節はもうそこまできている。


ゆっくりであるが、たしかにすすみゆく流れにあらがう術はない。
けれども、自分は相変わらずなにもかわらない。


春の暖かさやまわりから感じる高揚感は、
取り残されたものたちに対し、おのずと焦燥感を感じさせる。