ウラン U238

hygrometry2005-04-01



女性歌手のアーティスト名です。
U238は元素のウランを質量数を示して表記したもの。
部屋の片隅にふと目をやったところ、
彼女のAlbumが他のいくつかのCDにまぎれて並んでいた。


最近部屋のCDラックにはずっと手をつけていなかったので、
「ああ、なつかしいな。」という感情がこみ上げてきた。
だいたい3年前、ちょうど実家にいた最後の年にこのアルバムを買った。


当時、僕は浪人していて、夜中のラジオ英会話を勉強し終わったあとの
ささやかな楽しみとして、FMを気分よいBGMとして聴きながしていた。
そこでたしか木曜日の0時だったかに彼女の番組が流されていた。


タイトルは、ウランU238である。
毎回、彼女によってタイトルコールされたこの番組タイトルは、
あの頃の自分にはどこか神秘的であこがれのもてるものだった。


実際の彼女は、非常に落ち着いていて、独自の世界観を持ったひとであった。
覚えている内容といえば、彼女がアメリカにいた頃、科学クラブにいたときの
エピソードや、チュパカブラがどうこういっていたことだ。
でも一番印象に残っているのは、彼女のあの耳に残る声だった。
真夜中にきいた、あの落ち着いていてすこしかすれ気味の声とどこかいたずらっけのある
しゃべりようは、たった三ヶ月あまり聴いていただけなのに今でも鮮明に思い出せる。
耳にそっとまとわりつき、そばにいてくれるような声だった。


実際の曲はというと、ラジオ中にかかった曲に非常にいい曲が一つあったのであるが、
それ以外は自分の好みとはすこし違っていた。
意欲ある作り込みであったが、聴いていてどこかつらくなるような曲を作っていたとおもう。
ラジオでのしゃべりとは正反対のようだった。
だからこそ抱える彼女のなかの押さえきれないもの、が表現されていたのかもしれない。


僕のなかでの彼女の記憶はこの頃からあたらしいものはほとんどない。
自分のおかれる環境が変化していくうちに、いつの間にか彼女の曲はまったく聴かなくなっていた。
そして当然、彼女の存在自体も次第に小さくなり忘れ去るところまできていた。


そんな折、さっき急に思い出し、彼女の今が気になったわけだ。
googleで調べてみたところ、2002年くらいで情報が途切れているようだ。
いったいどうしたのだろう。
もう歌手をやめて違う人生を歩んでいるのだろうか。


勝手な思いだが、それでも全然いいとおもう。
なにか人生をゆっくりと楽しんでいそうなひとだったから。
ただ、だからこそ、せめて今どのようになったのかだけでも知りたいとおもう。
人間的にああいう人がどんな道を選択したのかというところに素直に興味がある。


本音を言えば、あの耳にまとわりつくような声とおもしろい話をまたきいてみたい。


どなたか、知っているひといませんか?

Heaven

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