違うひと

hygrometry2006-02-23



三月で今住んでいる部屋を引っ越すため片付けている。
本棚の整理をしていた。


何年か前のノートや大学の講義プリントが出てきた。
二、三年前のことなのに本当に懐かしく感じる。
内容も果たして本当にこんなことを勉強していたのか、
と思ってしまうものばかりであった。
ほぼ完全に今の私の記憶からは失われているものであった。


ノートは、字こそ自分で書いたものとすぐに分かるけれど、
脇にかいてある落書きなどをみると今の自分とは全然違う。
その時々、一番頭に浮かんでいる旬のことが書いてあるので
ころころと内容が変わっている。
そういやこんなこと必死に考えていたんだなということが多い。


不思議なのはこうしたことが今の自分と繋がっているようには思えないことだ。
変わり目となることが多分あったのだろうが、
それが分かるようなノートは出てこなかった。


片付けていて気付いたことはよほど強く思いを持ち続けていないと、
気付かないうちにその思いは消え去ってしまうということだ。
時間と取り囲む環境によって、自分は本当に気付かないうちに変わってしまう。
怖いことは自分は何も変わっていないと感じてしまうことだ。
何年かはわからないが、ある一定のスパンを経ると、
人はその中身がガラッと変わってしまうのではないだろうか。


若いうちは自らをどんどん変えていくことを望むが、
それは別に望む望まないに関わらず当然のように変わっていくものなのかもしれない。
むしろ自分を変えないということの方がよっぽど難しいのではないか。


人は常に変わり続ける、現在という瞬間、
本当に同じ自分であるのかと疑うほど全く異なることを考えている。