物格


人は他人を目の前でまじまじと見ることはないけれど、
その人がもっている’もの’はまじまじと見ている。
今日外にでて作業をしているなかでそんなことを感じた。


そのときの、ものを見る目はこちらがびっくりするほど気遣いがなかった。
どうやら物ならばじろじろと見てもいいらしい。
例外なくそうだった。


その視線は文字通り、物を見る目だった。
その人たちは俺のことはほとんど見てこなかった。
物を見て俺のしていることを探っていたのだろうか。


人格のように尊重されるものってそれ以外にはないのだろうか。
とくに物にたいして向き合う姿勢が人はあまりにもぶっきらぼうだ。


物には人間の思いや自然の営みが宿っている。
そういうものにたいして尊重する気持ちのない人間には、
本当に良いものも見分けられないし、ましてや生み出すことなんて出来ないんだろう。