世界基準での現実


コンフェデレーション杯、日本ーメキシコ戦
今録画を見直している。
前2戦に気持ちを集中していたせいかサッカーの質とは別に選手たちがどこか疲れていたように思う。
だから見返していても盛り上がりに少し欠ける。


彼らの移動はキリンカップアブダビの合宿、バーレーンバンコク、日本、ドイツ、
というものなのだから肉体的にはもちろん精神的にも疲労は予想以上なんだろう。
そういう面と今までの試合内容を考えると昨日の試合はなかなか良かったのだと思う。


そこで待っていた現実は予想以上でも以下でもないのだろう。
相手は現在代表18戦無敗でWC常連の強豪。
日本は3大会目であるが、初出場から3連続で出場を決めている新興勢力という位置か。
選手ひとりひとりの相手をいなすうまさに明らかに見て取れる差があった。


前半10分くらいまでは彼らのそういった動きをまったくとらえることができず、
圧倒的に自陣でボールを支配された。
しかし、それになれてきた頃にシンプルかつダイナミックな崩しで先制した。
ここに日本が世界に対抗できる強みをかいま見られたと思う。


メキシコは日本と体格的にも似ているし目指すサッカーが似ていると言われることもあるが、
俺は違うような気がする。
日本はメキシコのようにずる賢いボール回しを相手ペナルティ付近でやるサッカーは向いていないと思う。
ああいったねちねちした攻めの美学が根底にないとおもう。
日本人が好きなのは(俺だけかもしれないが)シンプルできれいなパスを何本もダイレクトにつないで、
相手を外してもうゴールしかないをいうところに押し込むというものなのではないか。
意外と世界的に見てもファンタジーや芸術を重んじている国と言えるのではないだろうか。
勝ちに対する意識よりもシンプルで美しいサッカーを求めているんじゃないか。


なんかメキシコのねちねちしたつなぎとは違った形のつなぎが大好きなんだと思う。
空手の型なんかをみてもわかるけどシンプルできちっとした動きの連動が好きなんじゃないか。
基本的にはまじめに走って正確なボールまわしというのが国民性にあってるんだろう。


と、サッカーを語っているおっさんの文化的な解釈はここまでにしよう。


日本の選手たちは世界のレベルを体感して、できることも足りないこともわかったと思う。
個人の技術(トラップ、パス)はコンディションが整えばそうそう引けを取らない。
点を取ったときの動きは明らかに世界レベル。
足りないのはチーム力。
組織的な動き(守り方、攻め方)はレベルが低い。
特にアジアレベルを超えた攻めと守りに対する戦術は確立されていない。
アジアカップのようにひいた位置でキープしてポゼッションをすることもできないし、
かといってフォワードからチェイスして連動的にディフェンスしながら立ち向かうには
対人能力に欠ける。


おそらく今のようなディフェンスラインをはじまりとしたポゼッションサッカー
続けていくのだろうが、そうしたらもっとそれをレベルアップしなければならない。
日本が優れているのは明らかに中盤の連携力なのだから、DFでだらだらつないでないで
あと2メートルはラインをあげて早めにフリーの状態のボランチにボールを渡して欲しい。


今の日本はボランチがボールポゼッションの中心となり試合をコントロールしていくのが
最も望ましいと思う。