蝉の声への期待感


3日ほど前から、かけ布団をしまいタオルケットとベッドカバーの二枚をきて寝るようになった。
それでも朝には暑くなり寝心地が悪くなってきた。


何も着なくてもへいきな暖かさになったからか、
ベッドに横たわってよく居眠りをするようになった。


すこし気が緩んでいる気がする。
居眠りしながら頭に描く情景は、
かげろうができるほどの強烈な日射しが照りつけ、
うるさいほどに響く蝉の声を聞きながら縁側で横たわっている自分の姿だ。


映画のような情景を思い浮かべ、白昼夢の世界に浸りたいのだろうか。
いや、本当の目的は、おそらく暑さという絶対的なもののせいにして目の前を見ること放棄したいのだ。


蝉の声は考えることを放棄させ、曖昧な幻想の世界へと人を引き込む。
毎年、頭に鳴り響くあの音がまとわりつく季節はどこか夢を見ているような気がする。