要領の良さ


世の中には世渡り上手というか、いわゆる要領が抜群に良いやつがわりといるものである。
しかもそういう人間はなぜか普段は軽薄に見えたり遊び人のようなやつが多いように思われる。


奴らは普段はお遊びに夢中で学生であれば本分の学業なんておかまいなしで遊んでいる。
そして勉強なんかまるでしていない状態でテストまであと一週間という状況になる。
しかし、なぜか奴らはそこであり得ないほどの要領の良さで逆転の単位奪取をしてしまうのである。


その間奴らは、極めて広いコネクションを利用して、
試験にピンポイントな情報をいとも簡単に入手している。
最短距離で攻略への糸口を見つけ出しているのである。。
ちなみに自分はだいたい授業に出ていたというのにも関わらず、
さしたる成果も得ずに試験範囲をアホらしくはじめから勉強し始めている。
もうそんなゆっくりやっている時間はないことは明白である。


一方奴らはピンポイントに重要な部分だけに真っ先に食いついているのでいっさいの無駄がない。
もちろんコストパフォーマンスは考えられる限り最高であろう。


さて試験前日となって両者はどうなっているかというと、、、


奴らは相変わらずの情報収集能力で、今度は最新情報として出るポイントを
なぜか普段しゃべりもしないような出来杉君みたいなやつから入手しているではないか。
まったく、そういうときだけ人の垣根がなくうまくつきあいやがる。


一方俺はといえば、案の定まだ試験範囲の半分近くまでしか到達していなく愕然としている。
「なんでいつもこうなんだ、死にてー。」と嘆いているのがオチである。


まあテスト結果は明らかなので省略。


そしてテスト終了後の戯れ言。
ふん、アイツらはどうせ何の実にもならないことをやっているだけなのさ。
俺はじっくり理解しながらやっていたからのちのちを考えた場合こっちのほうがいいのさ。
それに自分が勉強したところまでは解けたし。
などなど、、、グダグダとうるさい。


一方奴らは速攻で仲間と集まり街へさっそうと繰り出していった。
数分前までテストをやっていたなどみじんも感じさせず驚異的な切り替えの早さを見せている。


しかし世の中は実は奴らのような要領の良さを求めていることに今更ながら気付く。
世の企業の人間はコネクションをいかにうまく築くことができるかに関心がある。
そこにコミュニケーション能力が見られるからである。
さらに限られた時間に最大に成果を出すことが求められるからである。
世渡り上手なやつは結局のところ、なにしても食っていくことができるやつなのである。


そして、毎度そんなやつらにはどうも納得がいかなく、
かといってそれを打破するまでの能力を持たない自分がいる。


つくづく要領の悪さを自覚する日々である。