消えていく物体感

hygrometry2005-02-16


世の中が便利になるということは、それまであったわずらわしい苦労が、新しい概念によって簡単に置き換わるということだと思います。デジタルとアナログというキーワードはそのなかでも大きなものであると思います。

これまでにアナログなものでデジタルに置き換わったものとはなんなのでしょうか。音楽、映像、文字などなど。
それによって、パソコンを使う機会は増えてきました。また、同時にモノも減ってきているのではないでしょうか。
極端な話これからパソコンの能力が高くなってくると、パソコン一つでこれらのことを済ませてしまう人は多くなるのではないでしょうか。

便利にはなるがモノの物体感が失われる。これはなんとなくわたしが今後そうなるのではと心配なことの一つです。ふと家の昔ながらの黒電話をみてこのようなことを思いました。黒電話のなんともいえない存在感のあるフォルムが失われていくと思うと、寂しくて残念です。

モノの形態が表す存在感は日常の生活に非常に影響を与えると思います。物体としてあるものは、かならず私たちの身体の感触で記憶として残るからです。

世の中便利になるのはいいけど、あんまり何もかも一つのものでやっちゃうのはいやだなあ。