モチベーションと経験1


WC出場決定もしたということで、過去の二回のWCの日本代表の試合をビデオでみた。
フランスのときのクロアチア戦、日韓のときのロシア戦をえらんだ。
どちらも二戦目で、あるていど緊張感もほぐれ、日本の力を最も発揮した試合だと個人的にはとらえていた。


先にロシア戦を見た。
まだ記憶にも新しく選手たちも今の面々をさほど変わらないので今とのつながりは見て取れた。
やっているサッカーはえらいラインを高くして守っていたんだなぁという印象。
右サイドにはなつかしの明神が守備的な役割を求められベルギー戦の市川に変わってでていた。
明神に関してはポジショニングの気配りが素晴らしく良かった。
一方左サイドは小野でサイドから突破するという感じではなくボールの落ち着き先として機能していた。


最終ラインは、右から松田、宮本、中田浩
宮本は黒のフェースガードをつけていた。そういえばお茶の間でも話題になってたよなぁ、というかんじ
中田浩二が最終ラインのストッパー的な役割なんて!とも今から見ればそうもおもう。
ピッチをこれでもかと思うくらい横に大きくつかい最終ラインでパス回しをしていた。

中盤は戸田、稲本のボランチ、そのまえの攻撃的な位置に中田英
戸田の髪の毛、やっぱWCという舞台なんだなぁ。。。
稲本は、今に比べフィジカルコンディションがぜんぜん良くみえた。ヘッドにも競り勝つことが多かった。
中田英は今も昔も変わらず。


前線は鈴木と柳沢。
鈴木は必死さに溢れている。彼も今と大きく変わらない。
ヤナギは今の方が質の高い動きをしているように思えた。
この試合では、ボールキープをうまくできていなく、
彼のプレイの選択のよさも最近の試合に比べそれほどのものには思えなかった。

キーパーは楢崎。
よくよく考えれば今の代表に入ってないのは戸田と明神くらいだ。
松田に関してはジーコといろいろといざこざはあるようだが最近まで呼ばれていたし。



チームの面々を見たところ、やっぱり選手たちの顔は幼い感じがする。
実際に平均年齢もかなり若く今の代表を考えるとよくこの若さでやったなぁと感じる。
プレイにもそういったところが確かに見えかくれしていて、
老練さがないというか基本技術はあるのだけれどうまくキープできていない感じであった。
これにかんしてはサッカーという競技の選手寿命の短さから、
試合運びのうまさと肉体のよさのピークがうまくあわないのがもどかしくおもう。


ジーコジャパンにたいして、トルシエジャパンのときよりもかなり戦力が落ちている
と感じることも多々あったけれど、意外とそうでもないのかなぁと思った。
今の代表は試合展開はグダグダなところはあるけれど、なかなか狡猾な試合運びをしているような気がする。


そこに、ここ数年の日本サッカー全体が蓄えてきた経験があるのではないだろうか。
なんだかんだいってワールドカップに文句のない成績で行くという事実。

しかしまた、いまだ日本が強豪国に勝てないところもそういったところにあるのではないだろうか。
真剣勝負として戦える場は意外と少ない。
そういう経験は何度となくワールドカップにでている強豪国の方がはるかに多い。


しかし、その経験という壁を突破しようとするものにも別の特別な力があると思う。
フランスワールドカップで日本代表の選手が見せた戦う姿勢には、俺にはその力がかいま見られた。


歴史をかえるというモチベーション。何も知らないものの強さ。


きっぱり言ってしまうと、俺は断然フランスワールドカップの代表の方が好きである。
それは選手のテクニックであったりプレイの特徴とかそういうところではなく、
彼らの実際にあの場でみせた戦う姿勢に心ひかれたのである。
そこにサッカーを見る行為のなかのほんとうに熱狂できるものがあるとおもっている。


つづく。