日常、別れ。


今日は、同じ大学の友人とのしばしの別れの日となった。友人が新しい世界へと乗り込み、
残された俺や、周りの人たちは今までと変わりない生活を送る。


何ともいえない別れだった。これまでに経験したことのない寂しさを噛みしめている。
別れの言葉も本当にあっさりしたもので、「んじゃ、しばらくの別れだね。」といって
軽く手を振って帰っていった。もう今から旅立ってしまうという電車際での別れといったものではなく、
お互い予定もあって今日がこっちで会える最後の日であったから、友人はいつもの家に帰っていったのであるが。


なんだかなあ、「あっさりとした別れには本当の寂しさがあるんだなあ、」とおもう。


これまでの俺の人生では、みんなそろっての別れといったものが多かったし、
どちらかというと自分が去っていく立場の方が多かったと思う。
誰かを送り出すということを、自覚して体験することはほとんどなかった。
だから今日も一緒にアイス食いながら、笑ってTVを見ているときは、
ほんとにいつもと変わらない日常で、その瞬間はホントに何も考えてなかった。
「でもアイツとは、今日でこんないつもの日々も終わりなんだなあ。」
ということが頭に浮かぶと、どうしていいかわからなかった。


「というか、ほんとにどうしようもないんだよなあ。」ということが悟られて、
本当に泣きそうになる。
それぞれが自分の好きな道に行くわけで、嫌いになったわけでもないし、
むしろ一番気が合う奴だったから、アイツが選択した結果として
この別れは俺も賛成してるのが事実なわけで。
お互い感情をぶつけ合うほうじゃないし、いろいろとアタマで考えてしまう方なので、
こういう別れになることは予想がついたことなんだけど、
別れの道中で照れくささを隠しながらも、ぼそっと「寂しくなるなあ。」
と言ってくれたときは俺自身本当にどうしようもなかった。


そういう言葉は、いちだんと心にしみる。   ほんとに心から寂しくなるよ・・・
これからもこのような別れが続くと思うと憂鬱になる。
自分はこれからどのような出会いと別れを繰り返して最終的にどこに落ち着くんだろう。
いづれにせよ別れはいつも憂鬱で寂しいものになるのだろうな・・・